デンタルフロスを習慣化しましょう
その名も「糸ようじ」
いまや定番となっているデンタルフロスですが、日本で発売されたのは1987年、今から約35年前になります。
開発したのは医薬品や芳香剤等でおなじみの小林製薬です。きっかけは当時の開発担当者が新幹線の中で、外国人女性が歯の間に糸のようなものを入れて使っているのを目撃したことからでした。当時のほとんどの日本人は見たことも使ったこともないものでしたから、衝撃を受けたというのもうなづけます。“デンタルフロスとはなんぞや”ということから始まり、その使い方、効用などを研究、爪楊枝文化である日本人にも使いやすいようにということで、柄がついた「糸ようじ」という商品にたどり着いたということです。
デンタルフロスや歯間ブラシといったいわゆる“歯間清掃用具“が必要なのは、歯ブラシだけでは歯の汚れの6割ほどしか除去できないからです。むし歯や歯周病の原因となる歯垢がつきやすい場所は「歯と歯の間」や「歯の根元(歯周ポケット)」、「歯と歯が重なり合った部分」等歯ブラシが届きににくい場所が多いのです。実際に歯ブラシとデンタルフロスを併用することで磨きにくい歯間部の歯垢の除去率は86%、じつに1.5倍にアップしたという報告があります。
口臭予防にもデンタルフロス
デンタルフロスの使い方は歯間にフロスをのこぎりをひくようにしてゆっくりと通したあと、歯の側面に沿ってフロスを上下させることで歯の表面についた歯垢を絡め取る要領です。歯の隙間に通して終わりではなく、必ず、歯に巻き付けるようにフロスを当てて上下させます。さらには歯と歯肉の間に1〜2o程度フロスを入れて、歯周ポケット内の清掃をすることも欠かせません。歯と歯肉の間にフロスを入れるときの力加減にコツが必要かもしれませんが、少しずつ入れてトライをしてみてください。
歯ブラシとフロスとどちらを先にしたらよいのかについては、興味深い論文があります。それによると、フロスを先にしてから歯ブラシをする方が、フロスをあとにするよりも残留歯垢の量が減少したそうです。先にフロスを使うことで、歯間に着いた歯垢や食物かすが解きほぐされて浮き上がるため、その後の歯ブラシやうがいによってより取り除きやすくなるのではないかということです。
口臭予防にもデンタルフロスは効果的といえます。口臭の原因の70%は歯の汚れと細菌が発生させる成分なので、歯垢や食べかすをフロスで取り去れば、口臭も一掃されることにつながります。使ったデンタルフロスが臭いという人は要注意です。毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使って口臭を減らしましょう。