保険診療で白い詰め物が入ります
金属の詰め物が気になる方に朗報
お口の中の金属の詰め物がギラギラして気になるという方も多いかと思いますが、この4月から白い詰め物が保険適応となりましたのでお知らせいたします。
今回、保険適応となったのはハイブリッドセラミックスという白い歯科素材です。セラミックス(陶材)にレジン(樹脂)といわれるプラスティック素材を1〜4割前後加えた混合物で白い色をしているので見た目も自然です。
これまでも保険が適応される白い素材としてレジンの詰め物がありますが、使い続けると磨り減ったり破損したり、変色するなど耐久性や経年劣化の点で難点がありました。その点このハイブリッドセラミックスは工場で高度に重合された素材(高圧、高温で結合)なので堅牢で耐久性があり、破損などの心配もありません。
適応条件としてCAD/CAMによって製作されたものに限定されており、歯科技工士による手作業の技工物は含まれません。CAD/CAMとは最近よく聞く言葉ですが、Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturingのことで、コンピュータを使ったデジタル技術によって設計製作されたものということになります。
こうしたCAD/CAMによるハイブリッドセラミックス製の被せ物については2014年4月に第1、第2小臼歯に初めて保険適応され、その後、第1大臼歯へと適応範囲を広がり、今回は詰め物への適応となりました。
メタルフリーの治療にも
CAD/CAMによる製作過程において口腔スキャナーを使って患者さんのお口の中をスキャンニングすれば、従来のように歯形をとったり歯形の模型をつくる必要もなく、スキャンニングしたデータのやりとりだけでコンピュータのモニター上で被せ物や詰め物を設計することができます。完成した設計データを切削マシン送って歯科材料のブロックから削り出せば被せ物や詰め物ができあがる仕組みで作業の効率化はもちろん、品質にばらつきがないなどメリットがあります。
歯科素材の選択については患者さんのご希望次第ですが、金属アレルギーの方にとってはメタルフリーの治療がリーズナブルな費用で受けられる点でなにより朗報といえるでしょう。強度を優先したい方の場合は従来の金属のものを、審美性や耐久性などベストのものをという方は自費診療によるオールセラミックスなどをお薦めします。
今回のハイブリッドセラミックスの詰め物が保険適応となる部位は第1、第2小臼歯と第1大臼歯となりますが、噛み合わせ等に適応条件がありますので詳しくは主治医にご相談してください。