歯ブラシは月1回の交換を
間違ったブラッシングがトラブルの原因に
口腔ケアの必須アイテムといえば歯ブラシですが、交換するタイミングは皆さん、どれくらいですか。サンスターが行ったアンケートによると、1ヶ月に1回程度という人が32.7%、2ヶ月以上使っている人も6割以上いて、半年に1回という人(8.7%)も1割弱いらっしゃいました。
歯ブラシは毛先が開く前に交換することが推奨されています。1日3回歯みがきした場合、約1ヶ月で毛先が開くと言われているので毎月交換するのが目安といえます。歯ブラシを後ろから見た時に毛先がヘッドからはみ出し始めたらそろそろ交換時期と覚えていただくと便利です。
ただ、1ヶ月も経たないうちに歯ブラシの先が広がってしまうという人は要注意です。間違ったブラッシングをしている可能性があり、そのために歯や歯肉にトラブルを招く場合があるからです。歯肉が退縮したり、口腔粘膜や歯肉が傷ついてしまったり、クレフトといって歯肉にVまたはU字型の裂け目ができたりします。歯肉だけでなく歯の根元の部分がくさび状に削れてしまう“楔(くさび)状欠損”を招いてしまう場合もあります。
歯の表面を覆うエナメル質はとても硬い組織なのですが、歯肉との境目あたりはエナメル質が最も薄くなっているので過剰なブラッシング圧がかかり続けると、少しずつ摩耗してえぐれてしまうのです。エナメル質の下の象牙質がむき出しになってしまうとむし歯になるリスクが高くなるほか、知覚過敏の原因にもなります。見た目も欠損した部分が目立ってくるので早めに治療することをお薦めします。治療法としてはコンポジットレジンと呼ばれるプラスチックを詰めるのが一般的です。
正しい磨き方で歯と歯肉を守る
くさび状欠損の予防には適切なブラッシングを行うことが第一です。歯ブラシをペングリップ(鉛筆のように持つ方法)に持って小刻みに動かすことが原則です。手首を使って軽く動かすとよいでしょう。力の加減は歯ブラシを歯面に当てたときに毛先が広がらない程度の力で十分です。それ以上の力を加えても毛先が広がり清掃効果が落ちるだけです。毛の硬さについても「ふつう」か、やや柔らかめの歯ブラシで歯垢は十分に落とせます。歯ブラシの毛先をきちんと歯に当てて、磨き残しが多いところは丁寧に磨きましょう。丁寧にやさしくを忘れずに。