歯磨きに驚きの心理効果
仕事のパフォーマンス向上もつながる
食後に行う歯磨きについて最近、意外な効用があることがわかってきました。歯垢を除去してむし歯や歯周病予防するだけでなく、ストレスの解消にも効果があるというのです。確かに歯磨きをすると口の中がすっきりとして爽快感が得られることは経験的に知られています。
では実際に歯磨きが心や体にどう作用するのか、ライオン(株)では成人男女20人を対象に試験研究を行いました。歯磨き前と後での心理的な変化を比較したところ、歯磨き後は緊張が緩和され、気持ちを落ち着かせる効果があることがわかりました。その理由として歯肉や頬の内側などをブラッシングすることで交感神経の活動を弱め、副交感神経が優位となり、リラックス効果が得られると示唆されています。歯磨きをすることは歯垢を除去して口腔内を清潔に保つことが目的ですが、同時にブラシッシングによる歯肉への刺激がマッサージ効果を伴い、良い安静状態が得られるということでした。
それだけではなく活性度、快適度、覚醒度についていずれもアップしたことにも驚かされます。実際に簡単な計算問題を解くという課題に対して、歯磨き後の方が回答数に増加が見られたということからもうなずけます。睡眠を誘うようなリラックス効果ではなく、心身のリフレッシュ感がもたらされたことで脳もクリアになり作業効率も上がったとのではないかと分析されています。
職場でランチ後に歯磨きをするビジネスパーソンも増えていますが、歯磨きをすることで午前中に生じたストレスが解消されて、午後からの仕事のパフォーマンス向上に一役買っているのでしょう。
口腔ケアとストレス解消の一石二鳥のメリット
歯磨きによる口腔内への「触覚刺激」が自律神経に及ぼしてリラックスするだけでなく脳が活性化され、作業能率もアップするという一石二鳥のメリットがもたらされる点で注目されます。
歯磨きはときにおっくうになったり、めんどうという日もあるかもしれませんが、毎日の歯磨きの習慣のついでに日々の蓄積しがちなストレスの解消にもつながります。仕事の合間に気持ちを切り替えたい、あるいは夜寝る前にリラックスしたい等、歯磨きによる心理的な効用も上手に活用しながら、積極的に口腔ケアを続けていきたいものです。