虫歯のリスクを高める意外な生活習慣とは
就寝時間が遅い子はむし歯が多い
虫歯のリスクを高める生活習慣でよくいわれるは甘いものの食べ過ぎや、食後の歯磨きを怠るなどがあげられますが、意外なところで夜更かしもその一つです。
実際に夜更かしとむし歯の関係を調査した研究(北海道大学大学院歯学研究院の八若保孝教授と北海道医療大学リハビリテーション科学部の西出真也講師らによる16歳以下の小児を対象にした調査)によると、就寝時刻や夕食時刻が遅い子どもや、夕食を決まった時刻に食べていない子は虫歯が多いという結果が報告されています。また、夕食を遅く食べる子どもは就寝時刻も遅くなる傾向にあり、こうした夜型の生活習慣による虫歯発生のリスクは年齢が小さい子ほど高まることがわかりました。
夜間の間食は控える
むし歯菌は食べ物や飲み物に含まれる糖分をえさに増殖しますが、そのときに作り出す酸によって歯の表面のエナメル質が溶けて穴があくことから始まります。しかし、この穴が微細なうちは唾液に含まれるカルシウムやリンなどによって修復(再石灰化)されます。さらに唾液には食事などによって酸性に傾いたお口の中のpHを中性に戻す作用や口腔内の汚れを洗い流す自浄作用などがあり、むし歯になるリスクを下げてくれますが、夜更かしをすると心身が休息状態にならないため、唾液の分泌を促す副交感神経が働かずに十分な唾液の分泌量を維持できません。そのため、むし歯に対する防衛機構が低下、口腔内の衛生状態が悪くなり、むし歯の発生するリスクが高まってしまうのです。
果物やお酒も口の中を酸性にするので間食同様、夜間は控えたほうがよいでしょう。それでも小腹がすいて食べたり、飲んだりした場合は必ずブラッシングをしましょう。また、永久歯にできる最初の虫歯の多くは子ども時代にできますので、お子さんの場合はとくにむし歯予防のためにも早寝早起きが推奨されます。
もう一つ、むし歯にならないための大事な生活習慣である歯科クリニックでの検診とクリーニングも定期的に行ってください。