「むし歯になりやすい人は歯周病になりにくい」って本当?!

歯周病菌は800種類以上も

ひがしさわ歯科医院:むし歯になりやすい人は歯周病になりにくい?「むし歯になりやすい人は歯周病になりにくい」、はたまたその逆の「むし歯になりにくい人は歯周病になりやすい」ということを耳にしたことがありませんか? この巷の噂、実際のところはどうなのでしょうか。
本題に入る前にむし歯と歯周病について簡単におさらいをしておきましょう。
むし歯はむし歯菌によって引き起こされる感染症で、原因となる細菌はミュータンス菌とラクトバチラス菌が代表的です。ミュータンス菌はネバネバしたグルカンという物質をつくって歯の表面に付着し、糖質をえさに代謝してできた酸により歯の表面のエナメル質を溶かしてむし歯をつくります。ミュータンス菌のつくったネバネバの塊をすみかにして増殖するのがラクトバチラス菌で、それ自体には歯に付着する作用はありません。むし歯が進行するとエナメル質の奥のセメント質や象牙質を侵し、さらには神経と血管からなる歯髄にまで達して激痛を引き起こします。
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯菌は存在しませんが、母親や周囲の大人が口移しで食べ物をあげたりすることで感染(母子感染)します。
一方の歯周病菌は最近では800種類以上もいるといわれていて、最強のグループに分類されるのが、P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)、T.f.菌(タンネレラ・フォーサイシス)、T.d.菌(トレポネーマ・デンティコーラ)の3菌種です。これらの細菌は歯と歯ぐきの境目などにたまったプラーク(歯垢)をすみかにして毒素を放出することで歯ぐきを炎症させます。症状の進行に伴い歯ぐきを破壊し歯を支えている骨を溶かし、最終的には抜歯せざるを得なくなるという怖い病気です。

予防にも役立つ口腔内細菌検査

ひがしさわ歯科医院:クリーニングによって予防前述した噂の検証ですが、実際にむし歯にやりやすい人、歯周病のなりやすい人で口腔内のむし歯菌と歯周病菌の比率を調べた論文が発表されています。日本大学歯学部による「歯周炎とう蝕との関連」(日本歯周病学会会誌50(suppl-spring):132-132,2008.)で、それによると確かにむし歯の多い人は歯周病菌が少なく、歯周病菌が多い人はむし歯菌が少ないという結果が報告されています。
「むし歯になりやすい人は歯周病になりにくい」「むし歯になりにくい人は歯周病になりやすい」という噂はあながち間違っていないということがわかります。ただ、実際にたくさんの患者さんを診ているとそう単純なものではなく、程度の差はありますがむし歯と歯周病の両方に罹っている方もいれば、どちらもなく健康な歯と歯肉をお持ちの方も少なくありません。
ご自身のお口の中にどのような細菌がいて、むし歯と歯周病のどちらになりやすいのかについては口腔内の細菌検査と唾液の量を測る唾液検査で調べることができます。簡単な検査で予防にも役立てることができるので是非活用していただければと思います。
どちらの疾患にもならない健康なお口の中の状態を維持していただくためにも日頃のケアと歯科クリニックでの定期検診・クリーニングによって予防していただければと思います。

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