徹底した口腔ケアでインフルエンザ予防

流行りのインフルエンザウイルスについて

ひがしさわ歯科医院:流行りのインフルエンザ新型コロナウィルスの感染がどこまで拡大するのか心配な日々が続きます。コロナウィルスという名称を初めて聞く方も多いかと思いますが、じつは一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占めるウイルスです。ただ、今回は構造の一部が変化した新型で人にとっては未知のウイルスで免疫がないため、急速な感染の広がりと健康への重大な影響とが懸念されます。
インフルエンザウイルスは鼻やのどなど(気道)の粘膜にウイルスが付着することから始まります。細胞内に侵入して増殖したウイルスはノイラミニダーゼ(NA)と呼ばれるたんぱく質を溶かす酵素によって細胞外に飛び出し周囲の細胞へ感染を拡大していきます。
タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」といわれ、ノイラミニダーゼの働きを抑えることでウイルスの細胞外への放出をさせないようにし拡散を防止するという治療薬です。
近年、口腔内の細菌とインフルエンザウイルスとの関係に注目が集まっています。というのも口腔内の細菌の中にこのノイラミニダーゼ(NA)を分泌する細菌が確認されており、インフルエンザ感染を促す作用があるのではないかといわれているからです。

感染を助長する口腔細菌

ひがしさわ歯科医院:歯科による口腔ケアでインフルエンザ予防日大医学部と歯学部の合同研究チームではこの点に着目し、2010年から研究を行っています。同チームではインフルエンザウイルスに感染させた肺の上皮細胞に、(NA)を分泌する口腔細菌の培養液を加え、加えなかった群と比較する実験を行ったところ、口腔細菌の培養液を加えた群のインフルエンザウイルス量が、加えなかった群に比べて20倍以上にも増加していたという結果になりました。また、これらの口腔細菌が存在していると抗インフルエンザ薬の働きが弱まることも確認されています。
(NA)を分泌する口腔細菌は主に歯垢や舌などに生息しているので、口腔内の衛生管理が行き届いていないと歯垢がたまり、それに伴い細菌が分泌するノイラミニダーゼの量も増えるのでインフルエンザにかかりやすくなったり重症化させるほか、抗インフルエンザ薬の効き目が悪くる可能性があるといえます。
その後の研究で口内細菌のうちジンジバリスという歯周病菌がつくる酵素(ジンジパインRpg)がインフルエンザの感染能力を高めることも突き止められています。 実際に在宅療養の高齢者に歯科衛生士の口腔ケアと集団指導を週1回実施するグループと本人と介護者による口腔ケアだけというグループに分けて、冬季の6か月間の経過観察をしたところ、インフルエンザの罹患率がプロの口腔ケアを受けたグループの方が10分の1と圧倒的に少なかった報告されています。
こうした結果からも口腔細菌の温床となる歯垢を取り除いて口腔細菌を除去することはインフルエンザ予防の一助になるといえそうです。
外出後の手洗いと適度な湿度の維持、休養とバランスのよい食事といった従来のインフルエンザ予防に加えて、自宅での正しいブラッシングと定期的な歯科医院でのクリーニングとで徹底した口腔内のクリーン化を実践されることをお薦めします。

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