口臭は女性の方が強い!?
口臭にホルモンが関係している!
自分の口臭というのは気になるもの。ある調査によると日本人の9割が「気になった経験があり」と答えており、とくに男性は口の中の悩みの第1位に「口臭がある」がランクされています(『口臭白書2019年』歯科医療機器商社のモリタや歯科医師などが参加する研究グループ『ブレス・ハザード・プロジェクト』編纂)。ちなみに女性の場合は、「歯の黄ばみ」、「歯石がある」に次いで第3位に「口臭」が登場、「歯垢がある」「歯並びが悪い」が続きます。女性の方は黄ばみや歯並びなど美的観点からの悩みのウエイトがより大きいようです。
実際に現代人の口臭はどの程度なのか、同プロジェクトが「口臭レベルの実態調査」として男女214人を対象に口臭を測定しています。結果は基準値をオーバーしている比率は男性8.3%に対して女性が17.9%と女性に方が男性の2倍以上にものぼりました。基準値はほとんどニオイを感じないレベルとしていて、実際には女性の方に口臭が強い人が多い!という結果に意外と思われる方も多いのではないでしょうか。
そこには女性ならではの理由があり、一つには女性ホルモンを好む歯周病菌「プレボテラ・インターメディア」の存在が大きく関わっているようです。この菌の増殖を女性ホルモンが促進させて出血を起こしやすい状態にするということがわかってきました。
女性ホルモンが減少する更年期に関しては骨粗しょう症が進みやすくなるため、歯を支える組織にも影響し歯周病の症状が悪化するおそれがあります。つまり、女性は思春期から更年期まで、歯周病リスクが高い状態が続くといっても過言ではありません。女性の口臭スコアが男性に比べて悪かったのもこうした背景があるといえます。女性はそれだけ歯周病対策については熱心に取り組まなければいけないということがいえます。
口臭の原因には生理的な口臭(起床時や空腹時、食後などに一時的に口臭が強くなるもの)と病的口臭(消化器系や呼吸器系などの病気、歯周病など口腔内の疾患によるもの)があります。このうち病的口臭は慢性的にニオイが発生し、歯磨きなどセルフケアでは解消できません。歯周病が原因の場合には歯科医に通院して治療を受けることが先決です。
ココアが口臭対策に効果的
ココアはポリフェノールが豊富な抗酸化食品として知られていますが、歯周病対策にも効果を発揮するということで注目されています。実際に2週間のココアの飲用で歯周病関連菌の数及び呼気に含まれる口臭成分(揮発性硫黄化合物の量)がともに減少することが報告されています。飲み方は純ココア8gを100mlの水かお湯を溶かして1日3回、毎食後飲むだけです。飲みやすいよう歯に影響を与えない糖質ゼロの甘味料を加えてもよく、飲用後1時間はうがいや歯磨きを避けます。口臭が気になる方は一度、試してみたはいかがでしょうか。
口臭予防はイコール歯周病予防といってよく、基本は自宅でのセルフケアのほかに3ヶ月の1度のプロによるクリーニングであることはいうまでもありません。歯ブラシだけではとれないプラークや歯石を除去するプロのお掃除が必要だからです。