防災袋に口腔ケアグッズも忘れずに

防災袋を備えている人は3割程度

ひがしさわ歯科医院:防災袋を備えている人は3割程度今年は東日本大震災から10年の節目を迎えて、改めて災害への備えについて見直す機会となりました。防災意識について、サンスターグループでは2021年に全国アンケートを行ったところ、東日本大震災以降、防災への意識が高まった人は67.5%とたいへん多いことがわかります。ただ、非常用持ち出し袋(防災袋)を備えている人は29.2%と3割弱で、さらにその防災袋にハブラシ、ハミガキなどを入れている人は38%であり、全体では11%と少なく、避難時に歯磨きグッズまではなかなか意識にのぼらないといった状況がうかがえます。
ちなみに最近のコロナ禍を反映してマスク、ウェットティッシュ、手指消毒液・除菌シートやスプレー、体温計などを新たに加える人が増えているそうです。

災害時に肺炎が増えるわけ

ひがしさわ歯科医院:災害時に肺炎が増えるわけ災害時の口腔ケアが重要課題とし指摘されるようになったのは阪神淡路大震災以降です。阪神淡路大震災では災害関連死922名のうち200人以上が肺炎で亡くなり、その多くは誤嚥性肺炎が原因とされていることからです。建物の倒壊など直接、災害の被害による死亡ではなく、避難所での病気の発症や持病の悪化など間接的に亡くなる方(災害関連死)の中に誤嚥性肺炎が多かったことが改めて問題とされました。
「誤嚥性肺炎」とは口の中の細菌が食べ物や唾液といっしょに気管に入り込み、肺の中で繁殖して炎症を起こす病気です。高齢者に多く、飲み込む力が低下して誤嚥しやすい上に免疫力が低下していることから肺炎を発症しやすいといえます。東日本大震災でも、地震発生から約1~2週間後に肺炎で亡くなる方が多かったとのことです。これも震災後、歯磨きが十分になされず口内細菌が増え、お年寄りは誤嚥することにより細菌が肺に入ってしまい1~2週間後に致命的なまでに増殖したのではないかと推測されます。ただ、この誤嚥性肺炎も口の中を清潔にすることで防げる可能性は高く、実際に特別養護老人ホームでの積極的なケアが、肺炎の発症率を低下させることが報告されています。 災害と肺炎とは一見、関係のないように思えますが、じつは大ありで日頃から口腔ケアへの意識を高め、準備しておくことがカギといえます。
その一助として、防災袋には断水しても歯をみがくことができるデンタルリンスなどの液体ハミガキを備えておくことをおすすめします。液体歯磨きは刺激が少なく、水で薄める必要のないものがお薦めです。口腔ケア用ウェットティッシュはアルコールを含まないものが使いやすいといえます。そのほか歯間ブラシやデンタルフロスなど使い慣れたものを、家族にお年寄りのいる方は入れ歯用の歯ブラシや入れ歯用の洗浄剤も用意したいものです。災害時はもちろんですが、お口の健康維持は命を守る最も重要なケアと心得え、日頃から丁寧な歯ブラシとクリニックでの定期検診、クリーニングを欠かさず受けましょう。

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